受け継がれること、変わっていくこと、続いていくこと

 

最後にNORDのライブを観たのは、春になる少し前に、ショッピングモールのイベントのとき。それ以降ずっとライブどころか、生の現場で彼らを目撃していない。

 

現場がない上に、推しだったメンバーが卒業したこともあり、彼らへの気持ちはどんどん離れていった。いわゆるモチベ低下というやつだ。

メンバーのテレビやラジオへの出演はたくさんあるけれど、全然追えていない。推しがいなくなると、こうも興味が薄れていくものだろうか、もう仕方ないのだろうか、なんて考えながら、"他界"の二文字が浮かびはじめていた。

「他界なんて言葉使うと思ってもみなかったオタクっぽいじゃん」「沼落ちからの推しの卒業からの他界って、ひとつのグループにオタク人生凝縮させてんな」なんて他人事みたいに考えていた。

 

 

 

そんな日々を過ごしていた中で発表されたオンライン配信ライブ。

まぁオンラインだしとりあえず買っておくか、とチケットを購入した。当日は偶然にも仕事が休みだったので、まぁやることもないしリアタイするかなぁ、くらいの気持ちで観始めた。

 

ライブが始まって、NORDが歌い出したら、もうだめだった。画質も、カメラワークも、レンズの質感も、照明も、なにもかもがかっこよくて、そして何より4人がものすごくかっこよくて、「あれ、この人たちこんなにかっこよかったっけ?」と夢中になってしまった。

 

ライブの最中、今までにあったいろんな現場を一気に思い出した。

大小様々なライブハウスやコンサートホール、青空が綺麗だった初夏の野外ステージ、夏から秋にかけて毎週通ったあのライブハウス、地方の公民館、学園祭会場の教室、ショッピングモール、DVDショップ……。

いろんなところでライブしてたな、全部じゃないし応援してる期間も短いけれど、沢山ライブを見に行ったな、全部楽しかったな、NORDのライブって楽しかったな、なんてことを思い出した。

 

全部観終わってから思ったのは、ライブ楽しい!!!やっぱりNORDが好きだ!!!ということだった。

NORDのライブって、いつでも、どこでも、とっても楽しかったな、思い出した、思い出せて良かった。

 

そして、4人体制を受け入れられて、本当に良かった。

4人体制のライブを観て、昔は良かったのに、推しがいた頃は良かったのに、ってがっかりするのが怖かったんだな、と思った。

推しの歌声が大好きだった。歌唱面において、推しの存在は絶大だと思っていた。推しが抜けたら、薄くて物足りない歌声になると思っていた。

歌だけじゃない、6人ないし5人体制のダンス構成を、4人体制にするのは、物足りなくなるんじゃないか、と思っていた。

実際はそんなことなかった。「このパートは推しが歌っていたのに」「歌声が物足りない」「ダンスも微妙」なんて残念な気持ちになることはなかった。なんでだろう、時間が解決してくれたのかな。みんながかっこよくなったからかな。

 

 

 

推しがいた頃、異様に推しのパートが少ない楽曲が発表された。

メンバー自ら作詞したという重要な楽曲なのに、推しのパートがあまりにも少なかった。当時、違和感はあったけど、考えないようにしていた。

 

ライブではその曲も歌われた。

推しのパートがメンバーに引き継がれた。

すごく良かった。

この曲を作った時には卒業がもう決まっていたのかな、これが完成形だったのかな、めちゃくちゃいいじゃん、エモいじゃん、なんて真実がわからないことをいいことに、都合のいい解釈をして満足した。

 

「失うこともあるけど 歩いて行こう」と歌う彼らが好きだ。

「止まってちゃ観れない景色 とても沢山あるから」と歌う彼らがすきだ。

失うこともあったけど、ちゃんと受け継いで、形を変えて、進化して、そうしてこれからもずっと続いていくんだろうな。これからも応援させてね。わたしのペースでゆっくりとだけど、ついていくね。「推しがいた場所だから」じゃなくて「4人がいるから応援したい」と思えたから。これからもよろしくね。

 

https://zaiko.io/event/330598

2020年11月3日23:59までアーカイブあります。気になる方は是非観てみてください。