抱負

 

2020年はいろいろあった。本当に、いろいろと。

 

今年もいっぱいオタクするぞ!!!!と意気込んでいたのに、世界がこんな感じになってしまった。オタクをするどころか、仕事の方が先の見えない不安定な日々に突入した。

いつかは状況も好転するだろう、いつかまた推しに会える日常が戻ってくるさ、と思っていたら、春になる前に、推しが芸能界を引退した。

 

仕事の状況も相変わらず。推しはもういない。空っぽのこころを持て余していたところに、姉からの布教。たぶんわたしはいつだって何かに愛と情熱を捧げていたい人種だから、あっという間にのめり込んで、新しく出会った優しいあの人を、推しとした。

 

相変わらず状況は良くないけれど、海の見える大好きな街に暮らし、狭いけど日当たりと景色と立地が最高なアパートの一室に自分だけの城を築き上げ、大好きな街で働けて(ほとんどヘルプ業務で他所に行くことが多かったけど、大好きな街に拠点があると思えば頑張れた)、推しもいて、オンラインとはいえ現場も頻繁にあって、日々の供給もあって、春から夏の終わりまで、わたしは幸せに暮らしていた。

 

……はずなのに、わたしは幸せだった生活のほとんどを手放してしまった。秋が終わる頃、仕事の都合で、わたしはわたしの小さな城を引き払って、大好きな街を出た。新しい街にも職場にも未だに馴染めなくて、元いた街の元いた場所に帰りたくて、いい歳した大人だけど夜中にたまに泣いてる。生活が一変した結果、思うようにオタ活をすることさえ難しくなってしまった。思った以上に、オタ活も好きな場所での暮らしも、わたしの精神衛生上重要だったようだ。

 

あんまりにも毎日辛く苦しくて、誰かに助けて欲しくて、こんなこと推しには言いたくなかったのに、どうにか仕事の合間を縫って取れた特典会で、推しに「仕事が辛くて辞めたい」という話をしてしまった。あーあ、やってしまった、って思ったけど、推しはわたしの話を聞いてくれて、いつもの優しい顔で、ゆっくりと言葉を選んで、「○○ちゃんが幸せな生活を送れる方を選ぶべき」と言ってくれた。ちょっと泣きそうになったけど、その場では耐えて、そのあとは他愛もないようでなくないような話をして、バイバイした。通話を切ってから、ちょっとだけ泣いた。

 

今の生活から逃げたいって思うのはダメなことだと思ってたし、自分で選んだ末にたどり着いた現状なんだから、自業自得だし、逃げられるわけないと思っていた。でも、幸せになれそうな方を選んでもいいんだよな。逃げられるか分からないけれど、逃げる挑戦をしてみたい。ずっと流されて生きてきたけれど、行動を起こして現状に抵抗したい。幸せになりたい。来年は、わたしの幸せな生活を取り戻す。元通りにはならないだろうけど、幸せに暮らせる方を目指す。来年の今頃は心から幸せだなって思えますように。